社会への提言
2019年9月 認知症、やさしく、きびしく、ほがらかに
弁護士の仕事で判断能力の衰えてきた皆様のお世話が多くなりました。契約や遺言などの作成は困難となります。財産の管理もできなくなり、騙されたり、盗まれたりします。そのため、多くの医療や介護に従事する皆様とお話しする機会もあり、知識も増えました。まず、認知症になられた皆様への医療的な配慮が非常に進んだことです。当初は、高齢者の方々に、降圧剤、コレステロール抑制剤、睡眠剤、消炎剤などたくさんの薬を同時に処方しました。しかし、このような多剤により認知症になりやすくなるのではないかと、減薬が進められてきました。さらに、認知症の原因は、そもそも生活習慣病にあるとのことです。暴飲暴食などの肥満、睡眠不足などです。そのような悪習慣を改め、適度な運動をしなくてはなりません。私が「タバコを吸うと認知症にならないよ」と冗談を言うと、皆様一瞬きょとんとしますので、「太く短い人生よ」と説明します。ともあれ、認知症になった方は恍惚の人生として幸せだと言われています。しかし、家族は大変です。それでも、日本では、何より施設が大変立派になりました。入居するのも徐々に楽になりました。そして充実した介護保険に支えられています。今後も皆様で協力して高齢社会を支えましょう。
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