社会への提言
2019年5月 面白くなってきたテレビドラマ
~例えば科捜研の女と科捜研の男
最近のテレビドラマは非常に面白くなってきました。「ドクターX」では、現場で頑張る医師米倉涼子が、教授や院長から妨害されたりしました。「イノセンス」の若い弁護士坂口健太郎は、冤罪を証明したかと思っても、裁判官が有罪としたり、苦労する姿が映し出されました。しかし、最後になんと次席検事が謝罪するという場面もありました。従来では、このような上層の権威が批判されるドラマはほとんどありませんでした。刑事のドラマでは、古くは石原裕次郎の「太陽にほえろ!」が定番でした。捜査一課の強く正しい刑事が、悪を懲らしめ、時に殉職し、見事に役割が描かれました。ところが、昨年の「小さな巨人」では、現場のまじめな刑事長谷川博己が、悪役の歌舞伎俳優香川照之の演じる捜査一課長と戦うというびっくりするストーリーでした。そして、沢口靖子が演じる「科捜研の女」は、延々と様々な科学捜査を駆使して、従来の自白中心の捜査方法を乗り越えていきます。刑事もののドラマが完全に変貌を遂げました。「科捜研の男・トレース」では、「科捜研の女」を越えるためか、主人公で鑑定オタクの男錦戸亮が、家族を殺された被害者と設定されました。自分で科学的な捜査を駆使し、犯人を追及したところ、なんと自分の上司の刑事部長千原ジュニアが犯人のグループだったという展開となりました。これがまた、中学や高校でのいじめの話から殺人に至るという現代的テーマを入れているので、妙に本物らしいのです。ぜひ、ご覧いただくようおすすめします。
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