社会への提言
2017年4月 「ソンタクさせる」とは斡旋利得罪?
弁護士が引き受けます
モリトモ、ソンタクが世界的に広まっているようです。連日ワイドショーで扱っていますが、ポイントがずれているとしか言いようがありません。私の依頼者が、役所との交渉を弁護士の私に依頼に来る時、先に政治家や秘書にも頼み込んでいることがほとんどです。弁護士より頼りになるからでしょう。長い習慣で、やむを得ない面があります。安倍首相の奥様は家庭内野党とも言われ、立派な女性です。行動の範囲も広く、公益のために尽くしている様子が見られ、賞賛されています。そして、政治家の妻として、その秘書も従来の慣習に従ってきたにすぎません。大勢の中で1人だけをつるし上げるのは、いじめに等しくなります。現在、最も問題にすべきは、従来の慣習に従って良いのか、思い切って、変えていくべきかです。 なぜなら平成13年に斡旋利得罪が施行されています。議員及びその秘書は国や公的団体への口利きや斡旋行為で、報酬を受けることは、刑罰で禁止されています。そして親族や友人でも、共犯として処罰されることもあります。にも関わらず、甘利大臣の件も含めて、斡旋行為は横行しています。なぜなら、「その権限に基づく影響力を行使して」という縛りがあり、また報酬の受領の範囲はどこまでか、パーティ券購入も入るのか、曖昧さが残っております。検察も慎重になり、甘い運用になっています。結局、マスコミに騒がれれば、問題にされ、証拠のはっきりしない場合や多くの目立たない場合は放置されます。これでは何の解決にもなりません。この重要な法律の目的たる、政官財の癒着による不公正な行政を止めさせる方法を論議すべきです。結論として、政治家や秘書は疑われるような行為を一切しない、自主的に一斉に皆でやめると宣言することが良いでしょう。つまり、議員の権限は広く強力だと思うから頼りにするのでしょうが、法律違反になり、議員にも迷惑をかけるので、国民のほうも政治家や秘書に依頼してはいけません。行政庁との協議や交渉は、行政書士、税理士、社会保険労務士に依頼すべきです。そして、今では、増員された弁護士の仕事です。それ故、稲田ご夫妻が弁護士として立ち会ったのは問題もないし、法令や通達を柔軟に解釈してもよいのです。弁護士こそが、国民の利益のために、また行政の円滑な運営のために使われるべき時代となりました。
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