社会への提言
2010年10月 野田聖子議員おめでとう-生殖補助医療支援基本法を作ろう-
聖子さんは、夫に準ずる方から精子をいただき、ボランティアの女性から卵子をいただき、体外受精により妊娠されました。著者「私は、産みたい」(新潮社)を御覧いただければ分かるとおり、大変な苦労をされて成功されました。今は無事出産を願うばかりです。私は、生殖補助医療の改革者の根津医師(長野)と着床前診断の実践者の大谷医師(神戸)の弁護をしました。日本産科婦人科学会が社会に遅れた古い規則(会告)を破ったとして2人を除名しましたので、提訴をし、代理人をしたのです。
しかし、その後、有名人の向井亜紀さんの代理出産の成功により、世論は不妊の方々へ暖かい声援を送るようになりました。そして、今回の聖子さんの実践は、今までの保守的な意見に止めをさしたようなもので、ようやく患者が堂々と生きていけるようになりました。しかし、ここまでに至るには、日本では、長い時間がかかりました。慶應大学の飯塚理八先生が、監督をしていたボート部の学生に精子を出させて、マラリヤや熱病でやられて精子をもてない兵隊帰りの夫をもつ妻に注入して、多くの子を作ったことから始まりました。まさに挑戦者、異端者でしたが、有名大学の教授をし、多くの学会の会長もしましたので、除名されませんでした。天国で先生は、学会を厳しく批判した元東京マタニティークリニック院長の柳田洋一郎先生と共に聖子さんの成功を大いに祝っておられると思います。
聖子さんの今回の快挙に際しても、マスコミは相変わらず不妊患者の権利を制限することになりかねない法整備が必要と騒いでいます。しかし、患者の権利を制限することは、憲法違反であり、法律を作るならば、患者の利益を増進するためのものでなければなりません。私と根津先生は次の法律を作りましたので、皆様の御支援をお願い致します。
【生殖補助医療支援基本法(要綱案)】
1(目的)本法は、生殖補助医療に関して、国民の健康福祉の向上、高齢出産支援、不妊の予防と早期治療、少子化対策支援、子の福祉の向上などを確保することを目的とする。
2(憲法上の権利)国民は、自己決定権に基づき、生殖補助医療を利用する憲法上の権利を有することを確認する。何人も、生殖補助医療を利用する権利を妨害してはならない。
3(利用の円滑化)医師、医療機関及び学会は、国民に対して生殖補助医療の正確な情報を提供し、国民と共に、その利用を円滑化することに努めなければならない。
4(弊害の予防) 国は、学会又は団体などが不当な目的をもって生殖補助医療技術を独占し、または公益に反するとき、更には営利の目的をもって関係者を搾取するときには、これを制限するまたは禁止する政策を取る責務を負う。
5(経済的支援)国は、国民に対して、不妊予防医療と生殖補助医療について経済的支援を行うものとし、医師の所属団体をもって差別することなく、適正かつ公正に実施する義務を負う。
6(親子関係の確認)生殖補助医療により出生した子の親子関係は以下のとおりであることを確認する。
(1)非配偶者間体外受精-子は依頼夫婦の嫡出子である。
(2)代理出産-子は依頼夫婦の嫡出子である。
(3)死後生殖-子は実施した夫婦の嫡出子である。
7(出自を知る権利)子の出自を知る権利は、親及び精子・卵子の提供者の同意の下に子によって行使されるものとする。
8(情報管理) 医師または医療機関、あるいは保管の委託をうけた公的機関が連携し、カルテその他の記録を子のために100年間保存する。
9(ガイドライン)運用の詳細については、国または民間のガイドラインによるものとし、社会の変化と医療の進歩にあわせ必要に応じ改変する。
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【生殖補助医療支援基本法(要綱案)】
1(目的)本法は、生殖補助医療に関して、国民の健康福祉の向上、高齢出産支援、不妊の予防と早期治療、少子化対策支援、子の福祉の向上などを確保することを目的とする。
2(憲法上の権利)国民は、自己決定権に基づき、生殖補助医療を利用する憲法上の権利を有することを確認する。何人も、生殖補助医療を利用する権利を妨害してはならない。
3(利用の円滑化)医師、医療機関及び学会は、国民に対して生殖補助医療の正確な情報を提供し、国民と共に、その利用を円滑化することに努めなければならない。
4(弊害の予防) 国は、学会又は団体などが不当な目的をもって生殖補助医療技術を独占し、または公益に反するとき、更には営利の目的をもって関係者を搾取するときには、これを制限するまたは禁止する政策を取る責務を負う。
5(経済的支援)国は、国民に対して、不妊予防医療と生殖補助医療について経済的支援を行うものとし、医師の所属団体をもって差別することなく、適正かつ公正に実施する義務を負う。
6(親子関係の確認)生殖補助医療により出生した子の親子関係は以下のとおりであることを確認する。
(1)非配偶者間体外受精-子は依頼夫婦の嫡出子である。
(2)代理出産-子は依頼夫婦の嫡出子である。
(3)死後生殖-子は実施した夫婦の嫡出子である。
7(出自を知る権利)子の出自を知る権利は、親及び精子・卵子の提供者の同意の下に子によって行使されるものとする。
8(情報管理) 医師または医療機関、あるいは保管の委託をうけた公的機関が連携し、カルテその他の記録を子のために100年間保存する。
9(ガイドライン)運用の詳細については、国または民間のガイドラインによるものとし、社会の変化と医療の進歩にあわせ必要に応じ改変する。
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