社会への提言
2011年1月 漫画家は文化向上に向かい頑張るべき-「東京都青少年健全育成条例」に-
東京都青少年の健全な育成に関する条例、いわゆるエロまんが規制が話題となっています。朝まで生テレビや朝日ニュースターなどで深刻に議論されています。しかし、漫画家が少し興奮しすぎているのではないかと思います。確かに漫画家のいうとおり、憲法21条では表現の自由は絶対であり、憲法の先生から耳にたこができるくらい聞かされてきました。しかし、評論家の勝間和代氏がテレビで「娘が3人いるが到底見せられるものではない」というのにはっとしました。勝間女史はいつも締め付けに反対し、人々が自由行動することを尊重するよう主張していますが実感のこもった発言でした。
よく調べてみると、この条例は、18歳未満の青少年に閲覧させない、購入させないとの措置をするに過ぎません。いかなる漫画でも、制作したり、販売すること自体をまったく制限していません。そして、原則として7条では、努力義務にすぎず罰則もありません。例外的に個別に指定された場合にのみ警告することができ、これに違反した場合には、30万円までの罰金があるにすぎません。つまり制裁も極めて軽いものです。逆に警告したり、周知するのに手間と費用がかかり無駄といえる税金が使われています。他の県で行われている包括指定でもよいはずです。つまり、青少年保護のために憲法違反だとか、規制が強すぎるとか、創作が畏縮させられるなどということがまったくいえません。
また、今回の改正では、漫画とアニメーションが追加されたにすぎず、本や映画の扱いと同列にしたにすぎません。漫画やアニメだけを例外にすることはできないわけです。元々漫画やアニメは小さい子ども向けであり、過激なエロを想定していなかっただけで、追加してなぜ悪いのかということになります。
参考に漫画をみたところ、どれもこれもステレオタイプ化しており、大人、特に高年齢の性的感情を刺激するようなものでもありません。セックスレスになった大人の性的感情を刺激するような文化が必要です。青少年は放っていても、性的感情は高ぶっています。エロ漫画のせいもあるかもしれませんが、様々な猟奇的な事件も起こっています。また、性年齢が低下してしまい、性病、中絶、赤ちゃん遺棄なども発生しています。赤ちゃんポストが熊本で成功しているに続いてもっと必要といえます。また、高校生などが強制または様々な事情で出産せざるを得ない場合に安心して産むための「未婚の家」も必要です。東京、特に新宿では外国人も増えており、このような青少年に対する性教育、妊娠環境作り、妊娠後の受け皿がむしろ重大なものであり、エロ漫画の規制で時間を使ったり、無駄な税金を使うべきではないと思います。慎太郎知事も作家も業者も皆いたずらに興奮しないで、漫画も買えず困っている青少年たちのためにお金や時間をつかうべきではないでしょうか。
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