社会への提言
2014年9月 悲惨な児童被害の防止を―前向きな対策を望む
またしても、神戸市で女児殺害事件が発生しました。文化国家で治安もよいといわれる日本で、なぜ同じような悲惨な事件や事故が次々と起こるのでしょう!子供は一人では逃げられません。
今回のように狭い地域で起こった場合には、警察と地元の方々の協力で防げたのではないかと思います。11日夕方に行方不明となり、容疑者については、当日複数の防犯カメラに映っており、その自宅を警察は16日には中までくまなく調べているが、そのときには見落したのか、リュックサックは25日の遺体発見後の26日になり同じ自宅で発見されています。容疑者は元暴力団で実刑に服していたとの報道もされています。約2週間もどのような対策をとっていたのか、疑問といわざるをえません。
日本では、戦前に、思想犯を予防拘禁し、ひどい拷問をしたり、虐殺したので、法令では犯罪のはっきりする前の捜索や逮捕を禁止するとの運用がされてきました。もちろん思想表現の自由、労働組合運動の自由などを守るためには当然のことです。
しかし、殺人などの予防には、先進国では徹底したあらゆる事前の対策をとる努力がされています。私がそれを痛感したのは、3年前に、神戸で開かれた国際犯罪学会の第16回世界大会で、犯罪予防について私も報告しましたが、最新の世界の多くの報告を聞いたときでした。またそこで初めて、警察法務省中心の古い学会と、欧米の犯罪予防を研究する学者の新しい学会が合同して協力し始めたことも分かりました。
このように日本では犯罪予防について、すべての面で遅れてきたので、これを充分に認識して、根本的な対策をとるべきです。それは数百人に及ぶ拉致被害を強力な警官と自衛隊が防げなかったことからも明らかであり、同じ失敗をくり返してはなりません。