社会への提言
採点はもっと分かりやすく。診療報酬の大幅カット
この4月から医者の診療報酬が大幅に改訂されます。大変な問題になっています。特に訪問診療をしていた先生の報酬が、老人施設や集合住宅に行く場合には、自宅に行く場合に比べて4分の1に下げられます。突然の措置で関係者はみんな予定が大幅に狂ってしまったと大変困っています。厚労省は高齢者が病院に殺到するのを防ぐため、自宅や施設での療養を誘導してきました。最近では病院以外での看取り医療がようやく広がってきました。若い先生方も一生懸命に走り回っています。わずかの委員で構成する中央医療協議会が、充分な議論を経ないで本年2月に決定し、強行してしまう手続きは他の分野ではあり得ないやり方です。医者は「もう施設には行かない」と言い始めています。結局困るのは患者である居住者です。医者に診てもらえないか、またヨタヨタしながら病院へ行くのか、誰が付き添うのか。もはや国に対して裁判が起される状況といえます。私は常日頃から、日本では先例踏襲主義が行き過ぎており、もっと柔軟に前向きに改善していくべきですと言っています。しかし、逆に後ろ向きになって極端に不利益変更してしまうのは昔の暴君による朝令暮改と同じ恣意的な権力行使(人の支配)と言わなければなりません。これは広い意味での法を破ること、つまり法の支配に反することとなります。