社会への提言
コロナ戦士を称えて―医療を守ろう―
日本経済新聞の「私の履歴書」に、尾身茂先生が連載をされています。コロナと戦った多くの医療従事者のご苦労が思い浮かびます。特に、自ら感染し、自己犠牲を払われた方々へ、感謝を忘れてはならないと痛感します。いわゆるコロナ戦士には、勲章と同じく表彰状が授与されるべきです。しかし、私が裁判を担当している医師は、何とコロナ戦士なのに虐められて、小さな幽霊診療所に配転され、退職強要され、配転取消を求め提訴しました。稲城市立病院の呼吸器内科を専門とする水口医師です。病院では、最も多くの外来患者を治療しており、患者の皆様は、3年前に、約1800名の署名で、配転に反対しました。赤字続きの病院にとっても、欠かせない先生です。しかし、東京地方裁判所は、配転を認める不当判決をしました。なぜ不当かは、医師の場合、専門性が明確であり、その専門が十分生かされないときには、配転無効とすべきだからです。過去に、医師が配転命令を争った4件では医師がすべて勝訴し、不当配転についての損害賠償請求訴訟2件でも勝訴しました。その内に、コロナ戦士の外科医が勝訴した例もあり、まさに医療の重要性が世に示されたものといえます。さらに、医療に関連するためか、福祉用具の技術者が不当な配転を争い、昨年最高裁で画期的判決を勝ち取り、逆転勝訴しました。確かに会社従業員や公務員については、ごく例外的にしか配転無効が認められませんでしたが、この最高裁判決は、高度な資格を持たなくても、専門性の高い仕事については、原則として配転できないとの大きな一歩を踏み出しました。それ故、これに比べて、医師の資格は、特別に高度で専門性が高いので、患者や医療を守るために医師を守るのだ、という趣旨をご理解いただき、絶大なるご支援をお願いします。


