社会への提言
自衛隊のソフトロー的運用を!『集団的自衛権』
連日のように、集団的自衛権の議論が報道されています。いささか、うんざりしております。確かに、日米同盟のもとで、日本の近くで米国軍が攻撃されたときに、日本が何もしないでいられるかという疑問はあります。他方で、スイスのように、軍隊を持っても永世中立国として、自衛のための戦力(個別的自衛権)のみ認めるという国もあり、戦争をするべきでないという理想論にも反対はできません。しかし、この対立は抽象的で、答えが出ません。日本が強力に防衛をするべき相手はどこか、戦争を予想すれば相手はどこかと考えるべきです。相手は北朝鮮のみではないでしょうか。北朝鮮は「人民共和国」と、「人民」などと名前を付けていますが、その人権抑圧・拉致の実行・核実験やテポドン発射など、すべてが、到底現代の国際社会で認められるものではありません。そこで、米国軍が北朝鮮から攻撃された場合、日本の近くである可能性は高いので、日本が協力しないということはあり得ないでしょう。しかし、他方で、韓国は民主国家であり、また、中国も人権抑圧国家とはいえ、北朝鮮とは比較にならない程、開放的文化的となっています。それ故、韓国や中国とは、十分に外交的話し合いもできるし、国民同士の交流も拡大しており、もはや戦争となるということは双方考えていないでしょう。竹島や尖閣諸島については、国内向けの国威発揚の政治家のパフォーマンスで、戦争ごっこのゲームをしているようなものと考えれば、議論の対象となりません。結論として、そろそろ、政治家や学者は、集団的自衛権の目的、範囲、方法が、北朝鮮に対する防衛体制を作ること、つまり米国と共に、被害を最小にするために臨戦態勢に入ることであると国民に分かりやすい説明が必要なのではないでしょうか。