社会への提言
イニエスタ選手ら外国3選手 ―課税の行きすぎ―
本年3月、イニエスタ選手、韓国の金選手、ブラジルのパトリック選手は、合計約10億円の所得税の追徴税を支払わされました。イニエスタ選手は、何と6年前の家族同伴を理由に、「日本の居住者」とされました。外国人には、20%の源泉徴収の課税のみだが、同選手は日本の居住者とされ、45%が課税されました。本人は、スペインで、全世界所得を申告していました。日本へ納税した20%分は、スペインへの納税額から引けます。二重課税を避ける「外国税額控除」が租税条約で認められているからです。それ故、将来に向けて警告する意味で、「本年から日本の居住者となりますよ」と、課税の予告をするのなら分からないでもありません。しかし、過去に遡ってしまうと、ひどくややこしくなります。同選手は、やむを得ず、日本での納税後、スペインに税金の返還請求は、一般的に極めて困難といえます。しかも、日本の居住者認定、税額の計算が、スペインからみて適正と判断されねばなりません。さらに最も問題なのは、今回無申告加算税まで追徴されたことです。本人は、スペインで、申告して納税しているのです。明らかに行きすぎ、暴走ともいえるものです。違法であり、憲法違反です。国税庁は、最近、医師、芸能人など国際的に活動する方々に、次々と不当な課税を繰り返しています。この国際課税の根本政策は居住地主義を廃止し、各国毎で課税する源泉地主義とすることです。これについては、次回に回します。