
岸田内閣総理大臣殿 ―ゼレンスキー大統領の国連改革の訴えを受けて―
先日、ゼレンスキー大統領は、日本の国会議員の皆様に、ウクライナの窮状を訴えました。その中で私が、最も時機を得た重要な提言と受け止めたのは、国連改革でした。国際連合は、昭和20年(1945年)に発足しました。まさに私の生まれた年でした。私の世代だけでなく、その後日本は、国際連合を平和維持の中心に据えた政策をとってきました。国際連合憲章は、前文や第一条には、戦争廃絶と平和維持を高らかに謳い、その政策を全体に浸透させています。グレーテス事務総長は、ロシアは国連憲章違反であると断じました。また、イギリスは、ロシアを常任理事国から除くべしとの提言をしました。ゼレンスキー大統領は、このような動向を見ながら、明確に国連改革を訴えました。私自身も、以前から漠然と、国連の曖昧な動きを、実効性に欠けると感じていました。しかし、国連改革ができるとは考えませんでした。何故なら、米国、英国、フランス、中国、ロシアには、安全保障理事会の常任理事国としての拒否権が与えられているからです。しかし、ロシアが、明確に戦争を開始したのであれば、国連憲章に違反しているので、常任理事国どころか、非常任理事国としての資格も停止するべきでしょう。そうすれば、総会や安全保障理事会において、戦争中止の様々な勧告や制裁を打ち出せます。国連軍による抑止も可能となります。国連改革は、まさにロシアの侵略阻止という具体的な課題があるからこそできることになりました。国連憲章の改正には、拒否権が明記されていませんが、常任理事国の批准が必要とされています。しかし、そのような手続きは重要ではなく、国連総会における3分の2の決議により、ロシアの上記資格停止の改正をすべきです。これにより、世界に向けて、特にロシア国民に対し、即時戦争停止を通告できることになります。日本政府は、国連改革にむけて、直ちに行動を起こされるよう要請致します。