
社会への提言
オリンピック組織委員会 ~ガイドラインの重要性~
東京オリンピック組織委員会では、当初予算を超えて、莫大な税金が使われてしまいました。そして、資金は適正に公平に使われるべきであったのに、汚職事件に発展してしまいました。次々と有力者が逮捕されています。くりかえされる大きな刑事事件となっています。なぜ、早く手を打てなかったのでしょう。残念でなりません。オリンピック委員会がしっかり運営し、都や政府が監督をしていれば、最悪の事態をさけられたといえます。そのためにはまず、オリンピック組織委員会は、運営について、多くのガイドラインを作るべきでした。つまり、不正な取引をしようとしたり、私的利益を得ようとしたときには、ガイドラインに違反するものとして、早めに注意処分にするべきでした。また、契約の解除や支払の停止処分もできました。さらに、除名もできました。都や政府もそのように監督できました。誰もそのような指導や監督をせず、放置してきました。刑事被告人とされる者だけの責任とはいえません。要するに、団体のガバナンスを向上させることが重要だったのです。「注意処分から始めよう」、私の「新団体法論」(信山社、2022年)に書いておきましたので、ぜひ参考にしてください。