
社会への提言
ウクライナの危機 ―属国か独立国か?―
ロシアのウクライナ侵攻が始まりました。親ロシアの2州の独立 を承認し、軍事基地を作るという巧妙なやり方です。ロシアが、今 後ここを属国とするとか、併合するならば、侵略に等しくなるとい えるでしょう。他方で、良い面もあります。このドネツク人民共和 国とルガンスク人民共和国が、1人前の独立国として、立派に運営 されるならば、理想的といえるからです。国の運営は小さい方がや りやすいのです。その大成功の例は、東京23区と同じ広さのシンガ ポールです。ロシアや中国は、国土が広すぎて、政府は、役人を管 理できないし、目が行き届かないことになります。チベットやウイ グルなどは独立させた方が良いのです。米国、英国、フランスなど も連邦制として、地方政府に大幅に権限移譲しています。日本やウ クライナなども決して小さい国ではありません。日本の地方分権の 議論でもそのような大局観をもって進めるべきでしょう。国家も会 社や団体と同じ法人であるとの考え方もあります。美濃部達吉博士 は、ドイツの学説を持ち込み、国は法人であり、天皇は機関(取締 役のようなもの)であるという天皇機関説を表し、激しく攻撃され ましたが、正しい面があります。法人と考えれば、あまりに大きな ものは運営が困難になることは、お分かりいただけるでしょう。