社会への提言
持続可能な社会に向けて(9)―和を以て貴しとなす―
衆議院の総選挙が迫ってきました。マスコミの報道が過熱する中で、少し静かに考えて みたいですね。米国では、2大政党がけんかみたいにしながら、政権交替を繰り返してい ます。他方で、ドイツやイスラエルでは、非常に苦労しながら連立内閣を作ってきました 。日本でも、自民党は長い間、公明党と連立を組んできました。公明党の平和主義や弱者 救済策の良い面は、自民党政策にも影響を与えています。他方で、自民党は、社会党との 一度の連立はあるものの、民主党系との連立をしていません。しかし、内閣は野党の政策 提言についても、あたかも自前のように取り入れてしまうこともあります。このような状 況を見ていると、日本でも米国のような2大政党対立型でなくても良いように感じます。 ある国では、大統領選挙で、1位が大統領になり、2位が副大統領になります。さらに言 えば、政党の中でも、右から左まで多様化しつつあります。党議拘束をはずして、決議を した方が良い政策も多くなっています。つまり、政党内部も、一種の連立として意見を混 ぜる必要が高まっています。このように考えると、日本は、まさに「和を以て貴しとなす 」の文化を持っていることに自信を持つべきでしょう。政府や政党において、多様な意見 をまとめる役割に期待したいものです。今や、この日本古来の政治思想が、世界に広がる 可能性を夢見ています。