持続する社会へ オリンピックの未来
厳しいコロナ禍でのオリンピックが、やや控えめな雰囲気の中で進み、人々は金メダルに沸いています。妹の阿部詩の喜びの爆発と、兄の阿部一二三の威厳の堅持は、対照的ながら、共にヒューマンな感動を与えてくれました。続いて、卓球、競泳、体操などの輝かしい躍動が、皆様にエネルギーを送っているようでした。他方で、明るいこのような舞台を設定し、運営している裏方の苦労を想像しないわけにはいきません。オリンピックの延期に始まり、多くの企画責任者の辞任、感染予防対策のルール作りと監視など、全て自分が直接管与しているかの如く、頭の中に描いてみて下さい。この膨大な作業全てに関与することは誰一人として有り得ないのであり、想像力を豊かにするしかありません。おそらく、データ収集もできず、検証することも困難でしょう。法律家から見ると、契約変更、キャンセル、違約金の支払い、泣き寝入りなど、これまた、大変な事態となっているはずです。計画の変更などに伴い、出費が増加するのは一般的で、総出費額は、当初の予算より二倍三倍になったと言われています。それ故、今後のオリンピックは、今回を大いに参考にして、リスクを分散することが、必要と思います。まず、開催地を、二か所にすることは必須です。さらに、五輪にちなみ、五か所にしたらどうでしょうか。種目別に同時開催はできるでしょう。または、予選からスタートし、決勝だけを一か所また二か所で行うこともできるでしょう。今回はっきりしたのは、今や映像の時代であり、世界的に映像による開催が、ほぼ成功したということで、映像の進歩は、人や物の移動を縮小し、コロナへの感染を防ぐ大きな役割を果たすことになりました。このようにリスクを縮小し、効率を高め無駄な出費を省けば、後進国でも開催は可能で、オリンピックの歴史を継承することができます。特に、アフリカなどの紛争地では、新しく平和の祭典を行う意義が極めて高いのではないでしょうか。先進国の大都市1点集中商業主義から、世界の隅々まで平和を届ける輝ける未来が見えるようです。