社会への提言
2015年3月-ウズベキスタンではハードローは立派でもソフトローを活用しないと動きません『ウズベキスタンと日本〜互いに学び合うこと』
私は、ウズベキスタンのタシケント法科大学で日本法の講義をしてきました。タシケントは、旧ソビエト連邦の第4の大都市です。しかし、ウズベキスタンは1991年に独立したものの、社会主義経済を引き継いだために、経済面では後進国に止まっています。今後は、多くの国有企業を民営化する必要があり、日本の明治時代から最近までの市場経済化をおおいに参考にしてもらいたいと願っています。なぜなら、日本ではサッチャーのように大胆に急激には実行できなかったものの、ここ30年間に漸進的に民間の経済を自由にできるようにし、国の強い規制とこれに伴う汚職をなくし、規制緩和を進め、経済は発展しました。
他方で、ウズベキスタンは約15年前に先進国の文化を輸入するため、日本では未だ導入できていない欧米の進んだ法制度を採用しました。例えば、日本では借金を返せないと自宅まで強制執行されて取られてしまいますが、ウズベキスタンでは一定の広さの自宅は保護されることになりました。また、日本では、子供が成人するまでは、離婚が制限されていますが、ウズベキスタンでは欧米並みに緩やかに認められました。最も驚いたことは、受刑者が刑務所内で訪ねてきた妻と夫婦関係をもてること、また米国で被疑者の権利として、約50年前に確立したミランダルール(取調における弁護士の立会権)が採用されたことです。日本ではこの弁護士の立会権を認めるように学界や弁護士会が長い間運動してきましたが、未だ実現していません。もちろんウズベキスタンでも、この立会権が現場で妨害されているか否かは検証されるべき課題です。
ウズベキスタンと日本が今後も国際交流をして、学び合っていくことが重要と思います。日本にあこがれて、一生懸命に日本法を勉強されている学生の皆様にエールを送ります。
他方で、ウズベキスタンは約15年前に先進国の文化を輸入するため、日本では未だ導入できていない欧米の進んだ法制度を採用しました。例えば、日本では借金を返せないと自宅まで強制執行されて取られてしまいますが、ウズベキスタンでは一定の広さの自宅は保護されることになりました。また、日本では、子供が成人するまでは、離婚が制限されていますが、ウズベキスタンでは欧米並みに緩やかに認められました。最も驚いたことは、受刑者が刑務所内で訪ねてきた妻と夫婦関係をもてること、また米国で被疑者の権利として、約50年前に確立したミランダルール(取調における弁護士の立会権)が採用されたことです。日本ではこの弁護士の立会権を認めるように学界や弁護士会が長い間運動してきましたが、未だ実現していません。もちろんウズベキスタンでも、この立会権が現場で妨害されているか否かは検証されるべき課題です。
ウズベキスタンと日本が今後も国際交流をして、学び合っていくことが重要と思います。日本にあこがれて、一生懸命に日本法を勉強されている学生の皆様にエールを送ります。