【16年目 第184回】2025年9月
女性のキャリア形成 ―第4の選択権利―
欧米では、移民の増大が大きな問題となっています。日本でもこれを先取りして、移民を制限しようとの声が上がっています。これを一定程度受け入れるならば、他方で少子化の問題を再度、新しい観点から検討するべきでしょう。従前の議論で完全に抜け落ちた点があります。それは、女性の妊娠、出産、育児が女性の知識、体力、精神力を高め、バランスのとれた人間性を養うことです。子1人だけでなく、複数児になれば、さらに高まっていきます。いわゆる職業人としてのキャリアと同等といえます。男性がいくら育児に関与しても、追いつくものではありません。従前、専業主婦と言われてきたことを改めましょう。出産育児のキャリアを高く評価することになります。このように考えると、大学において、学んだり、鍛錬するのに匹敵します。18歳頃から出産した場合には、通信制の大学のように、10年かけても無理なく育児と両立させて、学士を与える制度を作ることです。これにより、30歳前後から、本格的に仕事に取り組み、一生継続的にキャリアを積むことができます。本人に絶大なる力を与えます。また、その業務遂行に大いに役立ち、社会に貢献することになります。大学だけでなく、簡易な手続きで、保育士、小学校低学年教師、介護士の資格を得られるようにすることもできます。仕事と育児の同時的両立、そのうちの一方のみの選択、その他の第4の選択権利は、育児という仕事を始め、継続するものです。女性には多様な選択肢を選ぶ自由や権利があるのです。そのためには制度設計が必要です。
また若年層の中絶が増加しています。つまり、若年層での交際や妊娠が進んでいる状況では、中絶から出産への転換をする必要があり、自然な形と言えます。
皆様にも是非ご検討くださるようお願いします。
【16年目 第183回】2025年8月
ディスポーザーの効用 ―生ゴミの半減―
台所の流し台(シンク)の排水口に、生ゴミを砕く装置をつけられます。ディスポーザーと呼ばれています。生ゴミを粉のようになるまで粉砕できます。以前より、使用されてきましたが、年々改良されて、進化してきました。最近の機種では、粉砕効率が向上しただけでなく、騒音やエネルギー消費の面でも性能が改善されています。このディスポーザーを多くの家に設置することにより、生ゴミを半減できます。生ゴミを捨てに行く手間も省けます。つまり、ゴミ処理問題の大きな部分を改善できるのです。
全国どこでも、どのような家でもマンションでも設置できます。都市部でも地方でも、家庭でのゴミ排出を抑制する有効な手段となります。処理槽に落としても良いし、処理槽がない場合には、直接、下水処理場に流しても良いのです。国土交通省は、このディスポーザー使用方法について、法令や規制の上でも問題ないものとして、推奨しています。いくつかの市町村では、公に検証をしたうえで、実施されています。
ところが、おかしなことが1つだけあります。東京都も含めて自治体の中では、処理槽のある建物(マンション)では、使用可能とするが、処理槽のない戸建建物や小規模マンションでは、直接下水処理場へ流してはならないとしてきました。これは古い規制であり、新しく改めていけばよいだけです。なぜなら、国交省も認めるとおり、現行の下水処理技術では、ディスポーザー排水の処理も十分可能とされているからです。ゴミ問題が依然として、話題となる今日、是非検討を進めていくべきテーマといえます。
【16年目 第182回】2025年7月
特定技能のビザ申請 ―意見書提出―
私は、多くの分野で、ガイドライン(ソフトロー)の円滑な運用をすすめるよう、行政や団体に働きかけてきました。先日6月18日には、法務大臣と出入国在留管理庁長官へ、意見書を提出しました。日本で日本語を学び、特定技能の試験に合格された外国人学生が多数おられます。就労するは、特定技能のビザを取得しなければなりません。学生ビザから特定技能ビザへの変更申請を、簡易に認めるよう、ガイドラインの作成を求める意見書を提出しました。就労準備活動に約6ヵ月、内定から本採用まで約6ヵ月、本採用になってからは、準備活動の期間を含めて、合計5年間のビザを与えるきとの案です。なぜなら、現在の学生ビザのガイドラインは、以前に作成された古いままで、新しい特定技能合格者に対応できていません。たとえば、大学や日本語学校を卒業しないで中退したら帰国、就職内定の前の面接だけなら帰国など、極めて厳しい運用です。
特定技能の試験の合格者は、日本語レベルN4に加えて、技能テストもクリアしています。もはや学生ではなく、就労できる者です。しかし、入管局では、特定技能ビザの窓口ではなく、学生ビザの窓口で、合格者を全く優遇してくれません。他方で採用側の企業では、外国人の採用には、日本人の採用よりもはるかに多くの書類作成などの手間と時間がかかります。それ故、企業と合格者のマッチングを円滑にするために、すぐ、ガイドラインを柔軟に解釈するか、改訂するべきです。
この意見書を提出するにあたっては、事前に新妻ひでき参議院議員(公明党国際委員長)に御協力いただきました。私が提言を説明した後に、入管庁幹部に約1時間、質問や意見をされ、先生も納得のいく回答をもらえなかったので、御検討をいただくよう要請し、終了しました。しかし、先生は、もはや政治マターであるとの認識を深められたようで、今後は、国会での質問などに期待をさせていただいています。


