2024年4月 (公)日米医学医療交流財団 ―理事長に就任―
私が本年1月に公益財団法人日米医学医療交流財団の理事長に就任しました。当財団は、米国へ医学留学する医師に300万円の奨学金を交付しています。また、米国の医療の情報を紹介しています。設立30年にわたりますが、私 は25年前から役員を務めてきました。なぜなら、弁護士として、留学帰りの医師が先進的生殖医療を実施し、学会と訴訟になった事件に代理人として担当したことに関係しています。多くの留学帰りの医師が日本の病院で大変苦労する姿を見て支援してきました。米国の進んだ医療を日本ですぐ活かせない面が ありました。そこでこの財団に参加し、少しでも改善するよう尽力してきました。例えば、テレビでも有名な神の手といわれる脳外科医の福島孝徳先生がそうです。先生は、脳腫瘍をとるために、患者に負担のない鍵穴手術を考案致しました。他の医師は真似ができないため、日本の学会でも円滑に受け入れられ ませんでした。しかし、世界的にその技術を広め、多くの弟子を育成しました。残念ながら福島先生は、先日、ご逝去されました。先生の公式サイトに、顧問弁護士として私がご報告をしておりますので是非ご覧ください。その他にも、多くの留学帰りの医師が、日本の医療の発展に貢献されています。今後も当 財団を通じて多くの医師を支援していく予定ですので、皆様にもご支援の程宜しくお願い致します。
2024年3月 「特定技能」の外国人材 ―移民政策か?―
日本では、人手不足が深刻になってきました。そこで、新しく「特定技能」という名称で、5年の労働ビザがとれるようになり、最近就労する外国人の方が増えてきました。5年後には、更新することもできます。内外の外国人の方が、初歩的日本語(N4)と初歩的実技の試験に合格すれば、特定技能の資格を得られます。それ故、日本における初めての移民政策といえます。日本人は、戦前より、ハワイ、北米、南米へ移民に行きました。しかし、日本への移民は、長く閉ざされてきました。従前の「技能実習生」の制度は、あくまで2年間の特定分野の実習で、労働をすることを許可されていませんでした。法の建 前と裏腹のことが起こり、過酷な労働、違法滞在、様々な犯罪などが生じました。いわば大失敗だったといえます。現在増加している特定人材は、まさに移民といえるでしょう。今後、運転手にも拡大する予定です。就労の分野も広く、業種転換も可能です。日本社会もいよいよ本格的な国際化に向けて、変わっ ていくと思います。そのためには、外国人の方々に日本語をN3、N2とレベルアップしてもらう必要があります。その上で、社会の中で全ての人々とコミュニケーションをとれるよう日本人も大いに協力していく必要があります。失敗に学ぶならば、今度はうまくいくのではないでしょうか。