2024年2月 不祥事の多発 ―早期の注意処分を―
不祥事が連日大きく報道されています。芸能関係に始まり、自民党、ダイハツ、損保ジャパンなどです。法令違反もあるため、刑事事件になったり、重い処分に至っています。また、マスコミによる社会的責任を追及する状況も広がっています。
なぜ、このような事態になる前に、早めに手を打てなかったのでしょう。小さな問題が起これば、すぐその芽を取ってしまえば、大きな問題にならないのです。まず、内部で、注意し合うべきです。特に、上司が部下に注意処分をすることが重要です。そのためには、組織内部で、何でも言える状況を作ることです。小さな問題なのに、隠蔽したり、これを続けようとする人がいるのです。また、逆に注意すると、不利益を受けたり、いじめられたりもします。つまり「物言えば唇寒し」の如く、災いを恐れて喋らなくなり、次第に、悪い芽が大きくなります。そこで、日ごろから、内部で課題を検討し、内部規則を作りましょう。これを守りながら、不便なところは、次々に変更していきましょう。規則を守らない人には、注意処分にします。そして、問題を指摘したり、内部告発する人に対しては、一切不利益を与えないとの内部規則が必要です。このように、風通しのよい、何でも言える組織になれば、絶対に大きな問題にはならないといえます。
2024年1月 謹賀新年 ―国連総会に期待する―
一昨年にロシアのウクライナ侵攻がはじまり、さらに、昨年には、イスラエルとハマスの戦争が勃発しました。そこで、このような世界の惨状を前に、新年にあたり、世界の平和に向けて、国連総会の役割に期待しています。日本は、今や、国連中心主義をさらに確固たるものにしていくべきです。今までは、国連は、安全保障理事会を中心に、運営されるものとされてきました。しかし、安全保障理事会では、第二次世界大戦の戦勝国の拒否権が認められています。その結果、一国でも拒否権を行使すると決議をできない状況が続いてきました。そのために、重要な案件で、決議が成立しない事態に陥り、国連が機能していないのではないかといわれてきました。ましてや、常任理事国のロシアが、戦争を始めるなどということは、まったくの想定外でした。しかしながら、現在では、国連総会の決議が成立するようになりました。昨年12月12日、イスラエルのハマスへの攻撃の停止、人質の解放などを求める総会決議をしました。日本は、今まで、米国と同じ態度をとり、決議に賛成しませんでした。今回は初めて、米国と異なる賛成の投票をしました。このように、多数決の決議を、何回も繰り返すことにより、審議が進展し、少しずつ良い結果を生むことになります。国連総会を中心に、国連の運営を行うことは、いわば常識的な結論です。安全保障理事会の拒否権を認める制度を改革するにも、このような国連総会の運営を通じて、拒否権を形骸化させていくことが重要といえます。日本を始め、多くの国が国連中心主義をさらに進めることにより、現在の世界の混乱を、安定的に収めることができると思います。